大学職員って普段何をしているの?

窓口や大学行事で、見たこと、話したことはあるけれど、普段どんな仕事をしているのかいまいちよくわからない。
それが大学職員の印象かもしれません。

あまり表に出てくることはないですが、弘前大学職員は大学の運営、学生のみなさんの生活を支えるため、日々奮闘しています。

今回は、現役の3人の職員に、普段どんなことをしているのか、大学職員になった理由や、今までの仕事の中で印象に残っていることなどを聞いてみました。
就職を機に県外から移り住んだ職員の目から見た、弘前、青森の魅力もお伝えします!

大学職員の仕事とは?普段何をしているの?

学務部学生課就職支援室 鬼丸 諒さん

出身地
北海道
異動歴
平成31(2019)年1月~現在
学務部学生課就職支援室就職支援グループ
大学職員_鬼丸

― なぜ弘前大学職員に?

北海道旭川市で生まれ、高校卒業までの大部分を札幌市で過ごしました。中学校の修学旅行で青森県などを訪れたことがきっかけで東北地方に関心を持ち、高校卒業後は宮城県で大学生活を送りました。
大学では日本史学を専攻し、19世紀初めにロシアの南下への対応で、東北諸藩の藩士たちが蝦夷地警備に動員されたことや、明治に東北地方から多くの人たちが北海道へ移住したことなど、北海道と東北地方の歴史的な結びつきを考えながら過ごしていました。
大学卒業後は地元の札幌で就職しましたが、やっぱり東北地方にも貢献できる仕事がしたいということで、北海道と東北地方の学生さんが多く在籍している弘前大学に転職しました。

― 今どのような仕事をしていますか?

就職活動などの支援をするキャリアセンターで働いています。私の担当はインターンシップの手続きや就職ガイダンスの企画です。夏休みなどを利用して企業の業務を体験するインターンシップは就活の前哨戦ともいわれ、ここ数年で学部3年生を中心に参加者がとても増えています。また、現在は3年生の3月から就活の本番が始まりますが、就活をスムーズに進めるためには事前準備が欠かせません。その事前準備に必要な就活の知識やテクニックを伝授するのが就職ガイダンスです。インターンシップや就職ガイダンスについて詳しく知りたい方はキャリアセンターのホームページをチェックしてみてください

現在、新型コロナウイルスの影響を受けて就職ガイダンス等の予定が変更となっている場合がありますのでご注意ください。

大学職員_鬼丸
インターンシップ情報を案内する鬼丸さん。最近は留学生の就職相談も増えている

― 1日のスケジュール

9:30 出勤
9:30~10:00 メールチェック
10:00~10:30 会議の準備
10:30~11:00 会議
11:00~13:15 議事録作成
13:15~14:00 昼休み
14:00~15:30 インターンシップ手続き書類作成
15:30~16:00 就職ガイダンスの準備
16:00~17:30 就職ガイダンス
18:00~ 帰宅

― 携わった仕事で印象に残っていることを教えてください

毎年学生さんが卒業するたびに、卒業生の進路状況をまとめるという仕事があります。就職率を確定させるためのとても重要な仕事です。毎年の就職率には、もちろん学生さんの就活での奮闘の結果が表れているのですが、支援をするキャリアセンターの事業がうまくいっていたかどうかもここに表れると思っています。そのため、毎年就職率を確定させるときは期待と恐怖を同じくらい感じながら作業をしています。

― どんなときにやりがいを感じますか?

企画したイベントに多くの学生さんが参加してくれたときは報われる思いがします。参加者が予想外に少ないときもありますが、来年度に向けてどうすればよりよい内容になって、参加者の増加につながるかを考えているときはとてもわくわくします。これから社会に出ようとしている学生さんのお手伝いができるという意味では、どの仕事にもやりがいを感じています。

― 受験生、在学生のみなさんへメッセージをお願いします

新型コロナウイルスの影響で先行きがなかなか見通せず、将来に不安を抱いている方も多いと思います。でも、こんなときだからこそ将来に向けて積極的に自己投資をしていくことが重要だと思います。コロナ騒動前と比べて様々なことが変化していますが、私たちが持っている“時間の総量”は変わっていません。「おうち時間」をどう過ごすかなど、時間の使い方に工夫が必要になっただけです。将来に向けて自分の限りある時間を今後どんなことに投資していくのか。高校・大学時代は自分の進路について考える一番大切な時期です。大変な時期ではありますが、この機会に、将来を見据えた自分への投資についてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

鬼丸さんから伝えたい“弘前の魅力”

札幌から弘前への移住ということで、人口だけで考えると10分の1以下になりましたが、弘前で生活してみて思うことは、暮らしやすさや幸福度は必ずしもその街の規模には比例しないということです。奥深い歴史、豊かな自然、美味しい食べ物、季節ごとにあるお祭り...、魅力の要素だけ挙げればありふれたものかもしれませんが、これら様々な魅力の要素がほどよく調和している街はなかなかないのではないでしょうか。言葉だけではお伝えしきれない、そんな魅力が弘前にはあると思います。

西茂森の禅林街
西茂森の禅林街
熊野奥照神社の蛙
熊野奥照神社の蛙

総務部人事課 齋藤枝里子さん

出身地
山形県
異動歴
平成26(2014)年2月
人文社会科学部総務グループ 採用
平成29(2017)年4月
医学部附属病院経営企画課
令和元(2019)年7月~現在
総務部人事課人事グループ
大学職員_齊藤

― なぜ弘前大学職員に?

私はいわゆる転職組で、以前は仙台で営業職をしていました。5年ほどで退職した後、同じ仙台市内にある私立大学でパート職員として働くことになり「大学職員」という仕事を知りました。学生時代から大学のキャンパスの華やかな雰囲気はとても好きでしたが、実際働いてみると、学生さん達をサポートする大学職員としての仕事の楽しさも感じ、国立大学職員を目指すことにしました。弘前は観光で一度来たことがあるだけでしたが、気づけばもう6年目です。ちなみに弘大職員としての夢は、ねぷたのお囃子(笛)を完璧に吹けるようになることです。

― 今どのような仕事をしていますか?

教職員の採用手続きや退職金の計算を担当しています。また、新しい人事給与システムが導入されたばかりなので、その設定作業も並行して行っています。
人事課の仕事は、教職員の採用はもちろん、毎月の給与計算や人件費予算の編成、福利厚生手続きなど多岐にわたっていて、各担当者はそれぞれその道のプロフェッショナルといった感じです。私は人事課に来てまだ1年ですが、担当している退職金の計算は間違いがあってはならないので、常に法例集とにらめっこしながら緊張感をもって業務にあたっています。

大学職員_齊藤
上司と打合せをする齋藤さん

― 1日のスケジュール

8:30 出勤
8:30~9:00 打ち合わせ準備
9:00~10:30 リモート打ち合わせ
10:30~10:35 コーヒーブレイク
10:35~12:15 システムの設定
12:15~13:00 喫茶店でランチ
13:00~17:00 概算要求の資料作成
17:00~ 帰宅

― 携わった仕事で印象に残っていることを教えてください

最初に配属された人文社会科学部で、先生方の論文集をリニューアルした時のことが印象に残っています。表紙のデザインを決める際、普段はひとつのデザイン会社に依頼することが多いですが、何社かに案を出してもらうコンペ形式はどうかと思い提案したところ、当時の上司が「面白そうだからやってみよう」と背中を押してくれました。最終的なデザインは先生方に投票で決めていただいたりして、とても楽しい仕事でした。

― どんなときにやりがいを感じますか?

人事課は大学内外からの問い合わせが非常に多いので、対応して「ありがとう」と言っていただけるとほっとします。法令に関する知識が無いと答えられないことも多く勉強の日々ですが、できるだけ相手の立場に立って対応するよう心がけています。

― 受験生、在学生のみなさんへメッセージをお願いします

人事課のほかにも財務や研究推進など、学生さんの目に触れないところでもたくさんの事務職員が働いています。大学のキャンパスで教員らしからぬ大人を見たら、それは事務職員かもしれません。学生の皆さんが学生生活を満喫できるよう、今後も精一杯サポートしたいと思いますので、勉強に課外活動におおいに楽しんでください。

齋藤さんから伝えたい“弘前の魅力”

弘前に来てまず感動したのは岩木山です。地元の山形県にも名山と呼ばれる山はたくさんありますが、岩木山は「これぞ山」という感じで形がかわいいんです。特に、夕暮れ時に西日を背にした岩木山は素敵です。あと、弘前はおしゃれな飲食店が多く、バル街などのイベントもあり、学生も大人も楽しめる街だと思います。

りんご畑から見える岩木山
りんご畑から見える岩木山
巨大アップルパイ
市内のさまざまなイベントで振舞われる
巨大アップルパイ

教育学部 細田勇人さん

出身地
岩手県
異動歴
平成27(2015)年4月
理工学研究科総務グループ
令和元(2019)年7月~現在
教育学部総務グループ
大学職員_細田

― なぜ弘前大学職員に?

大学職員を目指した理由は、今後の日本の未来を創っていく教育・研究の現場で働きたいと思ったからです。また、大学時代は地域活性化や地方行政を学び、大学発信の地域活性化に興味を持ったことも理由の一つです。
弘前大学は地域に根ざした北東北有数の総合大学であり、様々な分野の業務に携われること、地域活性化に特に力を入れていることに魅力を感じ、また、私自身が北東北出身であることから弘前大学に就職を決めました。

― 今どのような仕事をしていますか?

主に教員の研究に関連する外部資金の業務を行っています。具体的には、日本学術振興会の科学研究費補助金(科研費)文部科学省の受託事業、民間企業との共同研究等に関する申請・契約や予算管理・実施報告等の業務があります。
いずれの業務も教員や関連部署、各関係機関(官公庁、市町村、民間企業)との連絡調整が欠かせない仕事ですので、正確な意思疎通が図れるように心がけています。

― 1日のスケジュール

8:30 出勤
8:30~9:00 メールチェック、予定確認
9:00~10:00 外部資金情報の教員への周知
10:00~12:15 関係機関との連絡・調整
12:15~13:00 昼食
13:00~14:00 打合せ
14:00~17:00 申請書等の確認
17:00~ 帰宅

― 携わった仕事で印象に残っていることを教えてください

2017年11月に弘前大学グローカル人材育成事業という海外派遣事業で、教員のサポート業務のため海外渡航しました。その事業では予算の調整・管理、出張処理等の事務処理はもちろんのこと、同行する学生・企業人との事前勉強会から、現地の大学との打合せ、調査まで参加しました。一つの事業に教員・学生側と事務側から関わることで、自分の業務の向こう側を知ることができ、貴重な経験になったと感じています。

海外渡航集合写真
一緒に渡航したメンバーとの集合写真(細田さんは後列右)。アメリカのミネソタ大学を訪問した

― どんなときにやりがいを感じますか?

事務処理について教員から相談を受けた際に、いろいろな可能性を提示し一緒に考えることでよりよい方向で解決できた時にやりがいを感じます。

― 受験生、在学生のみなさんへメッセージをお願いします

弘前は自然豊かで四季が色濃く感じられ、ねぷた祭りをはじめ、街中でのイベントも多く開催されるなど、盛り上がりのある活発的な街です。この弘前で実りある思い出深い大学生活を皆さんが送れるよう、私たち大学職員がサポートします。ぜひ、弘前大学での日々を全力で楽しんでください!

細田さんから伝えたい“弘前の魅力”

私も弘前に来て6年目になりますが、津軽弁を聞くとホッとするくらいには順応しました(笑)弘前はリンゴ畑、岩木山と自然が豊かですが、城下町でもあり歴史や文化を感じられる部分も多く、自然と文化が共存していて住みやすい町だと思います。
県全体で特に感動したのは、リンゴとにんにくの美味しさと安さ、そして温泉の多さです。
温泉が好きなので休日には弘前市周辺の温泉でリフレッシュしています。

秋の弘前公園
秋の弘前公園
事務室で配られた藤崎農場のリンゴ
藤崎農場産のリンゴ「弘大みさき」