大学生活のなかで、ふと顔を合わせることのある大学職員。でも、その仕事の中身までは、なかなか見えないもの。
弘前大学の職員は大学の運営だけでなく、授業や学生生活など、学生の皆さんを支えるために日々奮闘しています。
今回お届けするのは「弘前大学職員のお仕事!vol.2」。
県内出身の現役大学職員3名に、他分野の業界を経験したのちに大学職員という道を選んだ理由や日々の仕事の内容、そしてこれまでで印象に残っている出来事をインタビューしました。
大学職員の仕事とは?普段何をしているの?
- 出身地
- 青森県藤崎町
- 異動歴
-
令和7(2025)年1月
総務部広報・情報戦略課広報室広報グループ
令和7(2025)年4月~現在
財務部契約課契約グループ
財務部契約課 工藤 陽之さん

― 大学職員になる前の社会人経験について教えてください。
大学卒業後は大学院進学を考えていましたが、経済的な事情もあり、就職することを決めました。
前職では、もともとパソコンが好きだったことから、パソコン教室の講師として勤務していました。子どもからご高齢の方まで、幅広い年代の方と接する機会があり、パソコンの知識だけでなく、コミュニケーション能力を得ることができた経験は今の業務に生かせていると思います。
― なぜ弘前大学職員に?
転職を考え始めたころ、弘前大学職員の応募を見つけ、「ここだ!」と思いました。様々な人が集まり、様々なことが行われている、大学の雰囲気というか空間に、学生時代から魅力を感じていました。また、生まれ育った地元も大好きだったので、地域に関わり、貢献できる仕事がしたいと考えていました。
弘前大学は、教育・研究の場であると同時に、地域社会とも深い関わりをもつ場でもあります。そんな弘前大学で働くことは、自分のやりたかったことに重なったと思いました。
― 今はどのような仕事をしていますか?
現在は、教職員が購入した物品の支払に関する書類の作成を中心に、高額な研究設備等の契約手続きも担当しています。先生方が普段研究で使用する消耗品といったちょっとした物から、専門的な実験で使用する機器まで、様々な物品の支払いに関わっています。
お金に関わる仕事なので、間違いには気を付けていますが、まだまだ足りてない部分が多く、上司や先輩職員といった周囲の方々にいつも助けられています。

― 携わった仕事で印象に残っていることを教えてください。
広報室では、卒業・入学シーズンに校門前ディスプレイへ掲示するデザインを担当しました。
多くの人の目に触れる掲示物ということで緊張しましたが、掲示された実物を見たときは嬉しくて、家族にも写真を送りました(笑)。学生のみなさんが写真撮影の背景として使ってくれているのも嬉しかったです。一緒にデザインを考えてくれた広報室の皆さんにも感謝しています。
契約課では、まだ配属されて間もないですが、高額な研究設備の契約手続きをした時が印象に残っています。初めての高額な機器の契約で緊張しました。
― 大学と民間企業との違いがあれば教えてください。
業務が多岐にわたる点です。私の場合は、広報室と契約課を経験していますが、それぞれまったく毛色の違う部署であるため、業務内容の違いに驚いています。弘前大学は大学内の業務だけでなく、地域と密接に関わっているので、外部との連携に関わる業務や、附属病院での医療分野の業務など、多様な業務に携わる機会があります。
「大学職員」と一括りになりますが、その業務内容が多種多様なのは、大学職員ならではの特色だと思います。
― 受験生や在学生へメッセージをお願いします。
チャンスがあればやってみること、利用できるものは活用することをおすすめします。
私は推薦入試で大学に進学し、大学職員の面接では人事経験のある義父に練習をお願いしました。みなさんの周りにも使える資源はたくさんあるはずです。多少大変でも「自分にとって必要だ」と感じたことに挑戦してみてください。
「やらない後悔より、やる後悔!」。ありきたりな話ですが、社会人になってから学生のころにやっておけばよかったと思うことはたくさんあります。みなさんも後悔がないように!とは言いませんが、後悔の少ない学生生活を送ってほしいと思います。
休日の過ごし方 × 伝えたい青森・弘前の魅力 ~工藤さん編~
休日はよく温泉に行きます!青森県内は温泉が多いので、毎回違う温泉に行って、泉質や設備の違いを楽しんでいます。温泉旅行も好きで、1月に温泉とあんこう鍋を目当てに下風呂温泉まで旅行に行きました。おすすめは、出身地でもある藤崎町にある「はたけのゆっこ」です。畑のど真ん中にある温泉で、熱いお湯が流れています。すぐ隣にラーメン屋さんもあるので、入浴後にぜひ行ってみてください!


- 出身地
- 青森県八戸市
- 異動歴
-
令和6(2024)年10月~現在
学務部学生課生活支援グループ
学務部学生課 昆 奈於実さん

― 大学職員になる前の社会人経験について教えてください。
団体職員として総合病院に4年、その後民間企業に1年ほど勤めました。病院勤務の際は、毎月の病院収入の金額や来院した患者さんの数を算出するなど、病院の経営指標の作成に関わりました。
民間企業では、不動産事務のほか、大型イベントでの集計業務などを経験しました。
― なぜ弘前大学職員に?
病院勤務をしていた際に、弘前大学出身の医師の方が多いことから、地域への貢献が非常に大きい大学であると感じていました。また、コロナ禍を肌身に感じる病院という環境の中で、学生の学びの場が大きく変化していることを日々ニュースで耳にしていて、未来ある若者ひいては地域の力になりたいと考え、弘前大学職員の採用試験を受けました。
― 今はどのような仕事をしていますか?
日本学生支援機構の実施する奨学金業務を担当しています。日本学生支援機構が設ける毎月の申請締め切りを守って手続きができるよう学生に案内していますが、時には学生の生活状況に応じるべく、柔軟な対応を求められることもあります。奨学金に関わる申請や手続きは多岐にわたるため、マニュアルを読み込みながら、非常に学びの多い毎日を送っています。学生課は学生とのやり取りも多いことから、日々にぎやかな雰囲気に溢れています。

― 携わった仕事で印象に残っていることを教えてください。
貸与奨学金は本来返還が必要なものですが、優秀な業績を挙げ日本学生支援機構の認定を受けた大学院生は返還が免除される制度があります。返還の免除に申請した学生は、学内の委員会で面接審査をうけることになりますが、面接を実施するにあたり、学生と委員会メンバーの予定を踏まえた日程調整、資料の準備や当日の進行、面接評価のとりまとめなどを行いました。無事に審査を遂行できるか不安でしたが、面接の工程がすべて完了したときは一番ホッとした瞬間でした。
― 大学と民間企業との違いがあれば教えてください。
学生と直接やり取りをする機会があるという点だと思います。業務で学生向けの案内を作成する際は、学生の目線に立って「どうしたらより制度を理解してもらえるか」「どうしたら分かりやすく伝わるか」を考える機会が多く、今までの社会人経験では得られなかった、新たな体験だと感じています。
― 受験生や在学生へメッセージをお願いします。
大学という場所は、自分の行動に責任が伴う一方で、非常に自由度の高い環境です。弘前大学にも様々な授業や活動があり、自分の自由な選択に基づいた学生生活を送ることができます。学生生活は、過ぎてしまえばもう二度と戻ることはできません。自分の選択に後悔の無いよう、勉強や友人との充実した時間を大切に過ごしてください。
休日の過ごし方 × 伝えたい青森・弘前の魅力 ~昆さん編~
弘前市内のカフェやスイーツ巡りをしています。中でも、弘前市がホームページにアップしている「弘前アップルパイガイドマップ」に掲載されているアップルパイをすべて制覇すべく、街へ繰り出しています。
また、弘前といえば春の桜が有名ですが、それだけなく冬のイベントも素敵です。特に、弘前城の雪灯籠まつりで行われるライトアップがイチオシです。


- 出身地
- 青森県弘前市
- 異動歴
-
令和6(2024)年4月~現在
理工学研究科総務グループ
理工学研究科 山上 航輝さん

― 大学職員になる前の社会人経験について教えてください。
宮城県仙台市で民間企業に研究開発職として4年ほど勤務していました。
日々の業務としてはメーカーから提示された開発スケジュールに間に合うように、試作・評価を進めていき量産にこぎつける、といった内容でした。現在の業務内容とは異なる点が多いですが、技術者と話すことが多かった点は、今の業務で教員とコミュニケーションをとる際に役立っているなと感じます。
― なぜ弘前大学職員に?
大学職員を目指した理由は正直に言うと、大学内の自由な雰囲気が好きだったからです。
その中でも弘大職員を選んだ理由は、地元に深く根ざした大学だからです。前職では仙台を拠点に、開発段階によっては海外へ出張することもありました。そこで、あらためて地元の良さに気づくことができ、地元に貢献できる仕事がしたいという思いが強くなったので弘大職員に決めました。
― 今はどのような仕事をしていますか?
業務としては、教員の資産管理や外部資金の管理をしています。予算の残額を把握したり、差引簿を作成して教員と共有することで、適切な執行ができるようにサポートしています。また、予算の執行について問い合わせを受けることが多く、若手からベテランまで様々な教員がいらっしゃるので、常にわかりやすい回答ができるよう心がけています。
部署の雰囲気としては、全体が明るく、雑談ができるほど和やかな雰囲気で、わからないことも気軽に相談しやすい環境です。

― 携わった仕事で印象に残っていることを教えてください。
外部資金のなかで、科学研究費助成事業の公募で申請書のとりまとめを行ったのがすごく印象に残っています。理工ではほとんどの教員が応募するものなので、申請書の数が膨大なことに驚きました。とりまとめる際に不備がないかチェックするのですが、教員によって書き方や研究の内容が全然違うので、チェックしていてとても興味深かったです。
― 大学と民間企業との違いがあれば教えてください。
一番は規程などのルールの多さに驚きました。私が勤務していた会社だと、勤怠や特許のルールくらいしか把握していませんでした(開発関係の部署にいたからかもしれません)。
現在の部署では教員の資産管理をすることがありますが、資産の入手方法等によって手続きが違ったりして、覚えることが多いなという印象です。一方で、その業務に対して必ず正しいやり方というものがあるので、やりがいも感じています。
― 受験生や在学生へメッセージをお願いします。
弘前は綺麗な景色や四季によって街全体の雰囲気が変わるのが、都会では味わえない魅力だと思います。
大学生活ではキャンパス内での各学部の距離が近いため、いろんな人と交流ができます。大学生は時間がたくさんある反面、勉強やサークル活動、アルバイトと使い方も人それぞれです。様々なことを経験して、大学生活を楽しんでください。
休日の過ごし方 × 伝えたい青森・弘前の魅力 ~山上さん編~
休日は煮干しラーメンを食べにいったり、ドライブして過ごしています。
煮干しラーメンは間違いなく青森県が一番美味しいです。店ごとに煮干しの濃さや味付けが異なるのも楽しめるポイントだと思っています。また、「さくらまつり」や「ねぷた」のような、自然や文化と結びついたイベントが四季によって存在していることも魅力だと思います。

