弘前大学には5学部8大学院研究科の多種多様な研究室があります。

「研究室探訪」シリーズでは、個性豊かな研究室をご紹介!

どんな先生がいて、どんな研究・教育が行われているのか、
先生と研究室に所属する弘大生に教えてもらいましょう!

第18回は教育学部 家庭科教育学研究室です。

教育学部 家庭科教育学研究室(加賀恵子准教授)

先生から研究室の紹介

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
加賀先生

地球上に暮らす全ての人々をつつむ言葉=「生活者」。耳にしたことがあるでしょうか?「生活者」は、これまでの科学の枠組みを超えた総合的な人間科学である「家政学」から生まれた概念です。人種や性別、職業や年齢の違いこそあれ、誰もが衣食住の生活を続け、人や社会と関わり続ける「生活者」であり、生活の中で獲得した経験的な知恵をもっています。その生活というフィールドにおける知と科学を統合させて、人々がよりよく幸せに生きることに貢献しようとする学問が「家政学」です。そして、その「家政学」と「教育学」が融合したところに、実は「家庭科教育」が存在しています。家庭科は、如何によりよく生きるかを哲学し、方法を考え、そして生涯にわたって実践し続けるための基盤を培うラディカルな教科であるといえます。
本研究室では、家庭科教育の中でもライフキャリア教育や消費者教育を主な研究テーマとしています。卒業生の進路は、教員、公務員、一般企業、大学院とさまざまですが、家庭科の教員免許の取得に必要な学びで得た「知識」や、フィールドワーク必須のゼミで地域に飛び出し実践的に学んで獲得した「企画力、交渉力、実践力」等は、教員になる・ならないにかかわらず人生の支えとなっているようです。

研究室選びのポイント!

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
研究室OG
土井さん

加賀ゼミでは、個々の「面白そう」や「やってみたい」を大切にしています。教材作成や模擬授業、市民向け講座の開催、ヒアリング調査などで、自らが主体となり積極的に研究活動に取り組むことができます。これは、加賀ゼミの大きな特徴の1つだと思います。また、学内のみならず、地域の方々と交流し、協力して企画を運営する機会も豊富です。様々な経験を積みながら成長することができます。
私は現在、公務員として地域住民の相談対応や制度の広報活動に従事しています。加賀ゼミで培った、幅広い方々と協働する力や、様々な事に興味を持って取り組む姿勢は、日々の業務に活かされていると実感しています

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
学部2年
奥山さん

研究室選びのポイントとしては「自分の興味のある分野・もしくはそれに近しい分野を研究しているか」といったことが大切だと思います。ちなみに、私は子育てに対する社会の在り方や考え方の変化といった内容に興味があったため、この研究室を選びました。研究を進めるならやっぱり自分の興味のあるものだと、研究したいという意欲がわいたり、楽しく進めたりすることができます。また同じようなテーマに興味のある人たちが集まっているので、そのような人たちと議論や意見交流などをすることで自分自身の考えを深められたり、新しい発見があったりもします。

こんな楽しみもある、研究室生活

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土井さん

市民講座や模擬授業などの準備・運営には大変な側面もありますが、ゼミ生が一丸となって、わいわいと準備を進める時間は、今思い返すと楽しいひとときでした。また、ゼミ生と先生の距離が近く、悩み事を気軽に相談したり、先生の研究のお手伝いをしたりすることもありました。卒業後、同期のゼミ生と連絡を取り合うたびに、「色々あって楽しかったよね~」と思い出話をしています。ちなみに、ゼミ室にある古いソファは、我々の代が勝手に持ち込んだものです(笑)。
好奇心旺盛なそこのあなた!ぜひ、加賀ゼミで充実した研究室生活を送ってみませんか?

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
奥山さん

私たちの研究室は何かイベントを運営したり、発表をしたりといったこともするのですが、そういった達成感のあるイベントが終わった後はみんなでお疲れ様会を開いたりします。年の近い人が所属しているので学校生活やアルバイト、恋バナといった内容で盛り上がることができるのでとても楽しいです。あとは同じ学部・専攻の先輩が所属しているので、今自分が受けている授業に関してや、実習などの気になる話も聞くことができてとても参考になります。加えてイベントの開催などで外部と関わる機会があることで、就活など今後の教員生活にも活かすことができる貴重な機会を体験できることができています。

撮影の思い出

家庭科教育学研究室は「家政教育」のサブコースの研究室。ひとくちに家庭科と言っても、衣食住のことや家庭経営、保育など幅広い分野がありますが、こちらでは子どもたちが「よりよく生きる」ための授業をどのように展開したらよいのかについて、消費者教育とライフキャリア教育の面から研究しています。

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
2022年の成年年齢の引下げもあって重要性が増した消費者教育
弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
職業選択や生活計画を立てる力を養うライフキャリア教育

動画は消費者教育の模擬授業から始まります。
大学生に多い消費トラブル1位はいったい何でしょうか?

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室

ライフプランニングや消費者の権利・責任など、消費者として自立するために学ぶことはたくさん。
それに加えて、小さい頃からスマホに触る機会が増えたり、キャッシュレス決裁が普及したりと、デジタル社会という変化の多い現代では、小学校から大学までの各段階に応じた消費者教育の実施が求められています。

こちらの研究室では小学校低学年から学べる消費者教育を実践しているとのことで、現場にお邪魔しました。
実際に小学校で行われた消費者教育講座の様子をご紹介!

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室

小学校1・2年生の児童と保護者を対象に、すごろくゲームを模した教材を使ってお金について楽しく学びます。

研究室OGの土井さんが在学時に作成した「きみとタノシーの1日すごろく」。
加賀研究室公式ホームページでダウンロードできるので、ご家庭で親子一緒に学んでみては?

OGの土井さんから「きみとタノシーの1日すごろく」についてご紹介

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
卒業後も消費者教育講座に協力している土井さん

消費生活に関する学習は、中学生や高校生に限らず、子どもから高齢者まで生涯にわたって学習することが大切です。幼児期の子どもには、保護者による家庭での消費者教育が想定されています。卒業研究では、5・6歳の子どもの保護者を対象に消費生活の実態調査を実施し、結果をもとに、お金の管理やネットの利用などを中心とした消費生活にふれた「きみとタノシーの1日すごろく」を作成しました。家庭で親子いっしょに楽しみながら消費生活の基礎を学ぶことを目的としています。

また、ライフキャリア教育の一環として特別授業「赤ちゃんとのふれあい体験」を附属中学校で実施しています。
育児に携わっているパパ・ママの話を聞いて、実際に赤ちゃんと触れ合うことで、生徒が自分の将来について視野を広げてもらうことを目的としています。

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
参加されたパパ・ママからも参加してよかったとの声が。参加者募集の際にはぜひご協力をお願いします!

動画後半のフリートークでは加賀先生が家庭科教育学を教えることになったきっかけや、学生生活について楽しく語ってもらいました。

ぜひ動画をご覧ください!

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
高校生の頃に感じたあるギモンがきっかけでした
弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室
みなさんサークルに入って充実した学生生活を送っています。
丸山さんがよさこいの衣装を披露♪

消費者教育・ライフキャリア教育について実践的に学んでいる家庭科教育学研究室。家庭科の先生を目指している方は一緒に研究してみませんか?

撮影は以上で終了です。お疲れさまでした!

弘前大学研究室探訪_教育学部 加賀研究室

家庭科教育学研究室(加賀恵子准教授)をもっと詳しく知りたい人へ

■弘前大学研究者総覧ページ 加賀恵子准教授
 https://hue2.jm.hirosaki-u.ac.jp/html/200001023_ja.html

■加賀研究室公式サイト(家庭科教育学研究室)
 https://kaga-office.org/