弘前大学には5学部8大学院研究科の多種多様な研究室があります。
「研究室探訪」シリーズでは、個性豊かな研究室をご紹介!
どんな先生がいて、どんな研究・教育が行われているのか、
先生と研究室に所属する弘大生に教えてもらいましょう!
第20回は医学部保健学科 放射線防護・生物学研究室です。
医学部保健学科 放射線技術科学専攻 放射線防護・生物学研究室(門前暁准教授)
先生から研究室の紹介
当研究室では、がん治療法の一つである放射線治療の精度向上を目指しています。放射線は物理学で学びますが、生体内での反応を観察するときは、物理学・生物学・化学の3分野について考察します。研究室に配属されるのは学部3年以降となりますので、大学入学してからの研究室配属までの間に、専門科目を学んだうえで学生の皆さんは研究に取り組みます。中には、大学から生物学を学んだ学生もおります。配属学生のみなさんは、第1種放射線取扱主任者試験(全国合格率30%程度)、診療放射線技師国家試験(全国合格率80%程度)、医学物理士試験(大学院就学時、全国合格率30%程度)といった資格の合格にも力を入れ日夜患者さんのためという熱きモチベーションで頑張っております。
研究・勉強ばかりでは息がつまります。そこで、定期的にお食事会や教室旅行で交流を深め、リフレッシュしております。我こそはと、放射線治療研究に関わってみたいと意欲のある皆さん、お待ちしております。
研究室選びのポイント!
門前研究室は、臨床の実際の患者さんの状態を把握して、その問題点から研究計画を共同研究者と考案するので、とても貴重な経験となります。また、研究成果をまとめた際には、学会へ参加して、全国の関係研究者の前で発表しました。最初は緊張しましたが、放射線治療の最前線の情報を知ることができるだけでなく、そこで研究成果を直接意見交換できたことにより、とても自信になりました。更に、共同研究先として、スウェーデンにあるストックホルム大学へ短期留学も経験しました。このような私の経験から、放射線治療分野でいろんなことにチャレンジをしたい方にお勧めの研究室だと感じています。
こんな楽しみもある、研究室生活
研究室のメンバーは、北は北海道出身、南は沖縄県出身まで全国各地にわたります。更に、北欧への短期留学の機会もあり、海外で放射線治療の実験をしながら、現地の大学院生と交流も深まり楽しみの一つになります。世界一臭い缶詰「シュールストレミング」は共同研究先の教室で出会います。
撮影の思い出
今回ご紹介する放射線防護・生物学研究室は、医学部保健学科の5専攻のうちの「放射線技術科学専攻」の研究室です。
放射線の基礎から高度な専門分野まで学べるこちらでは、放射線が細胞にもたらす影響や放射線治療に関する研究をしています。
普段どんな研究をしているのか、さっそく教えていただきましょう!
向かった先は実験室。杉山さんは何をしてるんでしょう?
慣れた手つきで作業する杉山さん。
放射線の影響を調べるには、体内のごく小さな細胞を一つ一つ調べる必要がありますが、こちらの研究室にはそのための多くの実験機器と、解析作業に集中している学生の姿が見られました。
さて、細胞はどのように見えるのでしょう?詳しくは動画で!
続いて案内していただいたのは建物の地下1階。
関係者以外立ち入り禁止の貼り紙もあって、なにやら秘密の実験でもしているのか…?といった雰囲気です。
ここX線照射室では細胞を放射線に暴露させる様子を見せていただきました。
放射線は身近なところでは病院のCT検査や空港の手荷物検査で使われていますが、ここではX線照射装置という機械を使います。
確かにキッチンのアレに似ています
そしてこの細胞をフローサイトメーターという装置を使って細胞の特性を解析します。
かなり高額な装置だそうで操作も難しいのですが、この研究室でスキルを磨けば扱えるように!
このような基礎的な研究を積み重ねて、論文などの研究成果発表に繋がっているんですね。
この他に臨床研究にも力を入れている門前研究室。共同研究している青森労災病院(八戸市)の真里谷靖副病院長にもお話を伺うことができましたので、その様子も動画でぜひご覧ください!
動画の最後では門前先生に研究室の特徴と、研究の展望について語っていただきました。
先生と学生の熱意があれば、きっと大きな成果に繋がるはずです!
以上で撮影は終了です。お疲れさまでした!
放射線防護・生物学研究室(門前暁准教授)をもっと詳しく知りたい人へ
■弘前大学研究者総覧ページ 門前暁准教授
https://hue2.jm.hirosaki-u.ac.jp/html/100000121_ja.html