弘前大学には5学部8大学院研究科の多種多様な研究室があります。

「研究室探訪」シリーズでは、個性豊かな研究室をご紹介!

どんな先生がいて、どんな研究・教育が行われているのか、
先生と研究室に所属する弘大生に教えてもらいましょう!

第16回は理工学部 表面デバイス工学研究室です。

理工学部 電子情報工学科 表面デバイス工学研究室(渡邊良祐准教授)

先生から研究室の紹介

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
渡邊先生

当研究室には青森県出身の学生はもちろん、西は岐阜県、北は北海道と幅広い地域からの学生が所属しています。研究室名は「表面デバイス工学」といい、物質の表面、界面が関わる現象を基にしたデバイスの研究を行っています。物質の表面では特異な現象が現れることが多いため、その効果をさらに強めたり、もっと変わった効果を発現させたりといった研究を行っています。現在はシリコン太陽電池の効率向上や新型太陽電池の研究をメインで行っています。
当研究室では、実験装置を自分で作り計測することをモットーとしています(もちろん市販の装置も使います!)。自分で装置を作ったほうが原理をよく理解できると考えているからです。研究室の学生の皆さんは、日々あれやこれやと試行錯誤しながらも、じっくり考えながらコツコツと研究を進めています。研究テーマには予めこちらで設定した目標・流れはあるのですが、しばしばそれを超えてくることもあり大変頼もしく思います。
学生の卒業後は製造業に就職する比率が高いです。それ以外にも学生が興味を持った様々な分野に進んでいます。

研究室選びのポイント!

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
大学院博士前期課程1年
吉田さん

「なんか難しそう」とか「その分野に関する知識がない」と思っても自分の興味がある分野を研究できる研究室を選ぶのがいいと思います。実際私も太陽電池についての知識は全くと言っていいほどありませんでしたが、興味があったので表面デバイス工学研究室を選びました。研究室に入ってから先生や先輩方が原理や装置の使い方などわからないことはすべて教えてくださるので知識がなくてもなんとかなります。

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大学院博士前期課程2年
安田さん

私がこの研究室を選んだ決め手は一般家庭にも広く普及されている太陽電池に関連するテーマが身近に感じられて取っ付きやすいからでした。
私たちの研究室では、青森は冬に雪がたくさん降る気候なので着雪の防止ができる太陽光パネル開発の研究や太陽電池の変換効率を向上させるような薄膜の作製を目指した研究を行っています。それだけでなく、研究に関連する様々な装置も自由に操作したり、自分で作ったりすることもできます。
太陽電池についてもっと知りたい、ものづくりがしてみたい、と思った方はいつでも歓迎しています。

こんな楽しみもある、研究室生活

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
吉田さん

表面デバイス工学研究室は明るい雰囲気で、毎日楽しく過ごしています。実験の合間や休憩時間には一緒にYouTubeを見たり、雑談したりしています。雑談では先生も加わり、学生時代のことや趣味のことなどよく話しています。雑談のなかで先生は大のカレー好きなことを知り、東京の学会に行ったときはおすすめのカレー屋に連れて行ってもらったこともあります。そんな雰囲気のいい研究室だからこそ、研究で行き詰ったことや悩みがあれば気軽に相談できるのが表面デバイス工学研究室のいいところだと思います。

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
安田さん

私が研究の中で最も楽しいと感じる瞬間は実験結果に大きな変化が見られた時ですね 結果には必ず意味が隠されいるので文献などを漁りながら起きている現象について考えるのはとても楽しいです。また、私は太陽電池の変換効率が低下しないようにする薄膜の作製をする研究を行っているのですが、薄膜の評価をしていく中で、こういった条件の時に良い結果が得られたので次はこうしたらもっと違いが見られるのではないか、など何度も試行錯誤していくうちにはっきりとした変化が現れた時は研究をやっていて良かったと感じる瞬間ですね。

撮影の思い出

表面デバイス工学研究室では物質の表面を改良することで、新機能をもったデバイスの開発に取り組んでいます。
ここから生まれる研究成果は将来、私たちの生活のみならず、地球環境にも貢献することが期待されています!

今回リポーターを務めたのは学部4年生の福士さんと佐藤さん。
それでは撮影スタート!

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室

まずは福士さんが研究しているアルミナパッシベーション膜について紹介してもらいました。

太陽電池が普及するには効率はもちろん、コストを抑えることが重要です。
現状では火力発電と比べるとコストがかかってしまうのですが、この膜を用いることで高効率&低コストな太陽電池が開発できるようになるそうです。

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室

基板の表面に薄い膜をどうやって作るんだろうと思って見ていると、基板に液体を垂らして高速回転させ、電気炉で焼いていく…まるで陶芸のろくろと窯のよう。

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
見た目ではわからない膜の性能はいかに!?詳細は動画で!

続いて、福士さんが研究している太陽光パネルの表面加工について説明してもらいます。
場所は変わって理工学部1号館の屋上へ。

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
屋上から見える景色。撮影日にうってつけの晴天でした!

福士さんは太陽光パネルの表面に雪が付かないようにする「着雪防止表面」を研究しています。
表面に凹凸構造を作るナノ加工を施すことで撥水効果が得られるそう。

雪が多くて日照時間も少ない青森では冬に発電することが難しく、太陽光発電があまり普及していない要因にも…。
この技術は北国における太陽光発電の救世主になってくれるはず!

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
右側がナノ加工を施したパネル
弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
雪が降っても右側だけ付着していません!

動画後半のフリートークには渡邊先生と他の研究室の学生さんにも登場していただきました。
話を聞くと、やはり太陽電池に興味があってこの研究室を選ぶ方が多いようです。

弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室
弘前大学研究室探訪_理工学部 渡邊研究室

また、渡邊先生の優しい人柄に惹かれたという学生さんも。
やりたいことを全力で応援してくれる素敵な先生ですね!

ここで撮影終了です!お疲れさまでした!
将来太陽電池の研究をしてみたい方、表面デバイス工学研究室で最先端の研究に取り組んでみませんか?

表面デバイス工学研究室(渡邊良祐准教授)をもっと詳しく知りたい人へ

■弘前大学研究者総覧ページ 渡邊良祐准教授
 https://hue2.jm.hirosaki-u.ac.jp/html/200000555_ja.html

■渡邊研究室(表面デバイス工学研究室)
 https://www.eit.hirosaki-u.ac.jp/~ryowat/