卒業生の活躍をご紹介する『卒業生インタビュー』、第18回に登場するのは、NHK青森放送局やTBSテレビでアナウンサーやキャスターを務めた後、現在はセント・フォースに所属し、フリーアナウンサーとして活動している千葉 真由佳(ちば まゆか)さんです。テレビ、ラジオ、イベントなど多方面で活躍している千葉さんに、現在の仕事内容ややりがい、青森と東京で働いてみて感じたこと、学生時代の思い出や将来の展望について伺いました。
青森のPRイベントなど幅広いジャンルの仕事を担当。新鮮な気持ちで現場に臨む日々
— 現在の主な仕事内容を教えてください。
現在はセント・フォースというアナウンサーが多く所属する事務所で、フリーアナウンサーとして活動しております。
自分のやりたいことやわくわくすることを優先し、幅広いジャンルのお仕事を担当させていただいています。
昨年の秋に今の事務所に移籍したばかりなのですが、青森に関する依頼が多く、嬉しい限りです。青森りんごのイベントでは、王林さんのトークショーの進行や、東京で行われた青森県観光セミナーの司会、TBSラジオの番組「青森県人しか出ない」という番組では、青森県出身タレントの古坂大魔王さんと新山千春さんをお招きして、全て青森の方言でお送りさせていただきました。
他にも都内の企業から配信番組の司会進行、遠方では九州のイベントに依頼をいただいたりしていますが、いつも違う現場、違うメンバーで仕事をすることが多いので、新鮮な気持ちで臨むことができるのがフリーアナウンサーの楽しい一面です。
どんなに忙しくても、本番前の事前学習と下準備を入念に
— 仕事をしていて楽しさややりがいを感じるのはどんなときですか?
司会やテレビのお仕事は「生放送」「1回きり」であることがほとんどです。ミスや失敗は絶対に隠せませんし、準備不足であればあるほど緊張してうまく立ち回れなくなってしまうものです。
司会であれば、私を信用してお仕事を依頼してくださったクライアントの期待を超えるパフォーマンスを発揮したいので、どれだけスケジュールが詰まっていても事前学習と下準備、そしてどんなジャンルにも自分なりの興味を見出して本番に臨む、このフロー自体を楽しむことを心がけています。その会場にいらっしゃった方々がイベントを楽しんでくださったらそれが一番嬉しい事です。
ニュース報道番組では、地震や災害に関する速報をどこの放送局よりも早く、正確に放送できた時のやりがいはとても大きなものでした。特に、TBSの早朝番組を担当していた時は全国放送のプレッシャーと常日頃から戦っていたのですが、出演者メンバーやスタッフに恵まれたおかげで昼夜逆転生活も頑張って乗り越えることができたと思います。月~金まで毎日夜12時起き生活は、家族の応援や仲間がいなくては困難だったと思います。
青森を応援しながら、キャスターとして成長するために上京を決意
— 青森でアナウンサーの仕事に就いた千葉さんが、東京でキャリアを積もうと思ったきっかけを教えてください。
高校、大学時代の夢は「青森の人に青森の魅力を発信できるアナウンサーになること」でした。
実際にNHK青森放送局で働く中で、伝統工芸の取材や新しい取り組みに奮闘する人々を取材し、青森の今をリポートやニュースという形で伝えることで夢を1つ1つ叶えてきました。取材相手から「私の伝えたかった思いを伝えてくれてありがとう」という言葉をいただいた時は、私もかなり頑張った企画だったので嬉しくて電話越しに涙が止まらなくなったこともありました。
あとは、NHKおはよう日本で私の制作した企画リポートが選ばれて全国放送された時はこの上ない喜びを感じました。もちろん、全部が全国に放送される訳ではないので、こんなに素晴らしいものが青森にはあるのに全国の人に届けられないのはもったいないと思うことが日々積み重なり…。
フリーアナウンサーになってもっと多方面から青森のことを応援しつつ、キャスターとしての実力も向上させたいという信念があったので上京を決めました。
— 青森と東京で働いてみてそれぞれの良さ、また、大変だと感じたところを教えてください。
青森で働く良さは、やはり地域のみなさんとの距離が近いこと。街中で「あら、千葉アナだ!」と声をかけていただくこともあり、駅前でインタビューをしていても快く引き受けてくださる方が多かった印象です。大変だったのは、映像編集の業務もやっていたことでしょうか。今となっては、当時の業務が自身のスキルになっているので、やってきてよかったと感じています。
東京で働く良さは、学びのアンテナがすぐそばにあることです。こういう勉強をしたい、知識を得たいと思ったときにすぐセミナーを探して受けたりできますし、博物館や美術館で感性を磨くということもしやすい。興味から仕事に繋がることも東京に来て増えた気がします。大変なのはどこも人が多いのでシンプルに落ち着く場所を探すのが難しいことです。考え事は青森の海を見ながらしたいと日々思います…。
— 今後、どのように働いていきたいですか?将来の展望などを教えてください。
青森のお仕事は喜んで引き受けていく気持ちでいます。ふるさとの応援になることは、ライフワークとして今後も何ができるかを模索し続けたいです。アナウンサーという立場でできることを飛び越えて、自分で何かを企画しプロデュースしていくことも新しい夢の1つですね。東京・青森の二拠点で枠にとらわれずやっていくのが今の私には合っていると思っています。
卒業論文で培った取材力とインタビュースキル
— 学生時代について教えてください。大学生活で印象に残っていることはありますか?
大学2年生の頃にミス・クリーンライスあおもりに選出していただき、大学を卒業するまで青森県産米をPRするお仕事をしていました。週末は、大学の授業が終わるとキャリーケースを引っ張って青森空港に向かい、関西や関東のイベントに参加していました。夜はビジネスホテルで講義のレポートを書いたりしていましたね。卒論の時期は新幹線の中でも必死にパソコンを打ち込んでいました。出張帰りは、西弘の飲食店でご飯を食べて疲れを癒していました。
— 弘前大学での学びや経験が、社会人になって活かされていると感じるのはどんなときですか。
私の卒業論文は県内で活躍する女性リーダーに話を聞き、インタビューをまとめるというものでした。市議会議員や男女共同参画に携わる方々、起業した女性にお時間をいただき人生観やこれまでの仕事への向き合い方などを聞いたのですが、まさにアナウンサーに不可欠なインタビューのスキルを学んだ場でした。
私が在籍していた現代社会課程 社会行動コースは、取材力やインタビュースキル、それらをまとめる力をつけさせてくれたので、社会に出てから本当に仕事に直結していると感じることが多かったです。
キャリアコンサルタントという立場から、就職活動に悩む大学生に寄り添いたい
— 昨年度、国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を取得されたそうですね。今後、資格をどのように活かしていきたいですか。
スキルアップの転職や副業など自由な働き方にチェンジするのが当たり前になってきた世の中で、「キャリア」に対する考え方は人それぞれ異なります。上京するか…アナウンサーを続けるか…などあらゆる選択をする中で、私もキャリアには悩み続けてきました。そこでキャリアコンサルタントという資格を知り、誰かの選択の後押しになれる人になりたいと思い、講座に通いながら勉強して昨年8月に合格しました。
私が携わりたい領域としては、地方の大学生のみなさんの支援です。アナウンサー試験で苦労したことや、青森・東京と両方で働いてきた経験を活かし、弘前大学の学生が広い視野と選択肢をもって就活できるようサポートできる機会あったら…と考えていて。縁あって、2025年2月4日に、弘前大学の特別講義の中で講師として登壇することになりました。そこで私の経験やキャリア形成についてお話できればと思っています。
弘前という街で、いろんな人の生き方や考え方に触れてほしい
— 弘大生やこれから大学を目指す高校生へメッセージをお願いします。
私が言えることってなんだろうと考えたらキリがないですが、1つ言えるのは学ぶ街が弘前でよかったということです。
県内でもこんなに四季をしっかり味わえる場所は他にないと思いますし、特に弘前城の桜は世界に誇れるものですので、今一緒に学んでいる大事な仲間と弘前を楽しんでほしいです。
高校生のみなさん、弘前大学は好きなことを好きなだけ学ばせてくれます。先生もユニークな方がいっぱいですよ。学生目線に立って、これは面白いねと言いながら一緒に考えてくださいます。何がしたいか今は分からないという人もいらっしゃるかもしれませんが、弘前という街でいろんな人の生き方や考え方に触れてほしいです。
千葉さんに聞く!弘前のおすすめスポット
このインタビューの依頼を受けてから弘前に行く機会があり、10年ぶりに大学周辺や住んでいたアパートの近くをゆっくり歩いて回りました。なくなってしまったお店も多いのですが、新しい私のおすすめは弘大カフェです!コーヒーがとにかく美味しかったです。学生割があるのも素敵だなと思いました。
あとはここ数年で太宰治のファンになったこともあり、学生時代は行ったことがなかった「太宰治まなびの家」にも行きました。もっと早く行けばよかったです。