弘前大学で活躍中の現役学生をご紹介する『在学生インタビュー』、第20回は、弘前大学軟式野球部に所属し、2019年度の奥羽地区大学軟式野球連盟 委員長・全日本大学軟式野球連盟 学生理事を務める 八木橋 凌太(やぎはし りょうた)さんです。2019年度の春季奥羽地区大会で優勝し、第42回全日本大学軟式野球選手権大会に出場した軟式野球部。活動のことや連盟委員長としての役割、また、ゼミでの取り組みについて伺いました。
柔道から転向。高校から軟式野球部に
ー人文社会科学部社会経営課程の志望理由と、大学で軟式野球部に入った経緯を教えてください。
僕は後期試験で合格しました。実は何を学びたいかははっきりしていなかったというのが正直なところです。ただ公務員を志望していたので、先輩たちから経済法律コースが一番公務員試験の受験科目と講義内容が一致していると聞き、経済法律コースを選びました。
小学校のとき野球をやっていて、中学では柔道を始めました。団体で全国へ行って、高校受験のとき柔道の強い高校へ行くか、弘前高校で勉強をするか迷いましたが、柔道には一区切りをつけ、弘前高校へ進学しました。高校では軟式野球部に入り、東北大会まで行きました。
大学では軟式野球でも部活動の他にサークルもありましたが、高校の野球部の先輩が軟式野球部に入っていて、活動は週2だし、サークルと変わらず緩い感じだと聞き、他のサークルと練習量や雰囲気が変わらないのなら、知っている先輩のいる軟式野球部にしようと思って入部しました。
転機となった東日本大会
ー軟式野球部での活動について教えてください。
基本的に3年生が春の大会で引退するので、2年の秋から自分たちの代が主力になるんですが、去年秋の北東北の地区大会で準優勝して、東日本大会に進んだんです。一回戦で負けてしまいましたが、もっと練習しておけばよかったみたいな悔しい負け方で。自分たちも意外といけるんじゃないか?という手応えを感じ、そこから練習量を増やすことにしました。
メンバーとはただの仲良しこよしではなくて、言い合えるのがいい関係だと思います。練習中は怖いですけど(笑)良くしようというのが伝わってくるから嫌ではないですし、むしろ、強くなるうえで、思ったことをそのまま言い合えるのは大事だなと思っています。
軟式野球部は社会人の指導者がいるわけではないので、練習も試合の作り方も自分たちで考えるというところが高校と違うなと思います。高校だと監督のサインが絶対でしたが、大学では同じ学生が監督なので、なんでこのサインを出したのか、根拠を聞くようになりました。だから監督がサインを出しているけれど、この場面ではこういうサインが出るだろうなとみんなが理解した上でサインが出ているというのも、高校との違いです。
大会の運営を主導する地区代表としての活動
ー奥羽地区の連盟委員長、全日本軟式野球連盟の学生理事を務めているということですが、経緯を教えてください。
僕らがまず参加するのは北東北3県で構成される奥羽地区の大会で、大会日程や連絡調整、審判依頼、球場確保は連盟の委員が担当します。各大学から一人連盟委員を出す必要があって、仲の良い先輩が前委員だったこともあり、2年の春から僕がやることになりました。そのときは3年生の岩手大学の学生が連盟委員長で、僕は副委員長として、北東北の西側(青森県西部と秋田県)のリーグ戦の運営をしました。委員長は東側を主導していて、必然的に西を取りまとめていた僕が次の代の委員長みたいになっていって、3年から委員長になりました。全日本の大学軟式野球連盟は、全部で23の地区から成り立っていて、今年度から全日本大学軟式野球連盟の学生理事も務めています。年3回全日本の学生会議があり、今後の大会の在り方などについて話し合っています。
自分たちの野球で全国大会へ
ー今年度は全日本大学軟式野球選手権に出場していますね。大会はどうでしたか?
全日本大会は春の地区大会の優勝校が出場します。今回の出場は4年ぶり4回目と聞いています。
個人的に一枚上手と思っていた岩手大学に地区大会の準決勝で勝てたことで勢いがつき、優勝しました。正直ここまでいけるとは思っていなかったです。
全国大会でどこと当たるかは6月の全日本学生会議で決まります。僕は行けなくて代理の方にくじを引いてもらったんですが、シードで、2回戦の会場が長野オリンピックスタジアムというメイン会場でした。全国大会は連日連戦なので、1試合無いというのはすごく大きかったし、メイン会場で試合ができるということはとてもうれしかったです。2回戦は6対2で流通科学大学に勝ちました。3回戦は対桐蔭横浜大学で、前年度の秋の東日本大会で準優勝しているところでした。強いとわかっていたので、逆に気負わず、自分たちがやってきたことをやろうという感じで試合に臨めました。当日は雨で試合が遅れ、おまけに5回くらいで雨が強くなってしまって、再開時には両チームのみんなで協力してグラウンドを整備しました。なんだかもう全国大会という緊張感はなくなっていて(笑)延長戦の末負けてしまいましたが、自分たちの野球はできたのかなと思います。
僕はもう引退です。僕たちのチームはスター選手がいるというわけではありません。だから、これからのチームにも、一人一人がやるべきことをやって、選手じゃないとしてもしっかり裏方に回ってサポートできるようなチームになっていってほしいなと思います。
青森県・五所川原市の学生プロジェクトに参加。地域課題に取り組む
ー今のゼミを選んだ理由を教えてください。ゼミではどのような活動をしているのですか?
経済系の講義を受けている中で小谷田先生の話はわかりやすかったですし、ゼミを決めるときにゼミ見学があるんですが、小谷田ゼミに行ったときに、学生が主体で話し合っているのがいいなと思って決めました。同じ学年は5人です。
今、ゼミのメンバーで、青森県庁の「学生発『選ばれる青森』への挑戦」プロジェクトと、五所川原市の「学生提案型事業」に参加しています。
青森県庁のほうは、「若者・女性の県内定着」や「健やか力の向上」などテーマが5つあって、僕たちは『「経済を回す」取組の充実強化』というテーマを選んで、「県産品のブランド化」の施策を検討しています。最初は地酒でいこうかと思っていたんですが、弘前観光コンベンション協会に伺ってお話をしているうちに、シードルのことを調べてみることになりました。青森県は、りんごがめちゃくちゃ有名なのに、シードルの知名度はあまり高くないのかなと。長野県ではシードルの銘柄数がすごく多くて人気で、それはりんご生産量全国1位の青森県民としては納得いかないというか(笑)シードルを有名にしたくて、シードルを中心とした経済活性化、という内容で進めています。シードルを広めるために、弘前市でも行われているようなバル街と連携できないかなど、いろいろ考えている段階です。
五所川原市の事業は、今年度から始められたものだそうで、小谷田先生から勧められて、青森県庁のプロジェクトと同じメンバーで取り組んでいます。事業名は「五所川原にご招待!~なのごどすぎだはんで~」。五所川原市まち・ひと・しごと創生総合戦略の「交流倍増政策」に資するものとして、五所川原市の「おすすめご縁スポット」に訪れる人を増やすため、ご縁スポットを組み込んだデートプランを作って、実際にデートしてみた写真をInstagramで発信しています。メンバーと五所川原市に行って、デートコースの候補になりそうなところを探していて、僕も初めて知ったところもあったし、カップル、夫婦に限らずいろいろな方に、魅力を発信していけたらいいなと思っています。
大学生のうちにやりたいことに本気で取り組んで
ー最後に受験生へ向けてメッセージをお願いします。
まず部活に関しては、やっぱり本気で打ち込めるのは学生のうちが最後じゃないかと思います。大学はサークルもあるし部活もあるので、自分に合ったほうを選べばいいし、本気で取り組みたいのであれば、少し練習がハードかもしれないけど、部活もいいと思います。
大学だと自分で時間割を作るので、自分でスケジュール管理できます。授業がない日は部活にしろ何にしろ、やりたいことができるのは大学生のいいところですね。
軟式野球部は、野球が好きならぜひ。僕らの代でも野球をやってきていない人もいたので、少しでもやってみたいと思ったら入ってほしいです。
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