弘前大学には5学部8大学院研究科の多種多様な研究室があります。

「研究室探訪」シリーズでは、個性豊かな研究室をご紹介!

どんな先生がいて、どんな研究・教育が行われているのか、
先生と研究室に所属する弘大生に教えてもらいましょう!

第13回は医学部医学科 脳神経病理学研究室です。

医学部医学科 脳神経病理学研究室(三木康生助教)

先生から研究室の紹介

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
三木先生

神経科学は分かっていないことがまだまだ沢山ある魅力あるフロンティアです。私たちはその中でもタンパク質が何らかの理由で脳に蓄積することが病態に大きく関わる加齢性脳疾患(特にαシヌクレインというタンパク質が脳に蓄積するパーキンソン病や多系統萎縮症)に焦点を当てて、国内外の研究施設と連携しつつ日々研究をしています。また、脳疾患の確定診断には最終的に病理解剖を必要とする場合も多く、病理診断は私たちの大切な仕事の一つです。病理解剖によって提供されたヒト脳組織に加え、世界に先駆けて樹立した多系統萎縮症の早期病態模倣モデル動物を用い、ここ弘前から様々な研究成果を世界に発信し続けてきました。さらに、長年培った知識と経験、そして豊富な病理標本を用いて医学部生の教育も精力的に行っています。このように、私たちは脳疾患の研究、診断、教育に情熱を注ぐ集団です。

研究室選びのポイント!

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
学部3年
磯﨑さん

研究室選びのポイントは興味のある研究分野かどうかということです。研究室によって研究内容は様々で、目的や方法なども全く異なります。その際に興味のある研究分野であれば多少専門的で難しいことでも楽しみながら学ぶことが出来ます。
私自身は脳や神経の病気について漠然と興味があったので脳神経病理学講座を選択しました。研究室研修では豊富な資料や多くの実験に加え、優しい専門家の先生方のご指導のおかげで充実した研究室生活を送っています。
皆さんも研究室を選ぶ際には是非、自分の興味と研究内容を照らし合わせてみてください

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
学部3年
安井さん

私がこの研究室を選んだ理由は、脳の神経疾患の最先端を学べるからです。
例えば、認知症を抱える患者さんの脳内では一体何が起きているのか? 実際に脳を肉眼で観察したり、顕微鏡を使って細胞レベルまで調べたりすることができます。
研究室の雰囲気はとても温かく、私たち学生の些細な疑問も丁寧に教えてくれます。なんでも聞いてね!と先生たちもおっしゃってくださるので居心地が良いです。
留学生の方もいるので、コミュニケーションの幅も広がります!英語に強くなりたい人にもおすすめです!

こんな楽しみもある、研究室生活

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
磯﨑さん

研究室といえば実験や論文執筆など無機質なイメージが強いですが、醍醐味はなんと言っても先生方や大学院生との交流です。普段何気なく顔を合わせる先生方ですが、研究者になるからには過去に想像を絶する努力と経験があります。そんな先生方の激動の人生ドラマと考え方を実際に聞くと大変勉強になりますし、自分も今後の人生について熱い思いを抱くことが出来ます。また、同世代の若い大学院生や海外からの留学生の方などとも交流ができるので自分の知見を深める最高の機会です。

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
安井さん

患者さんの脳を見ることができたのは本当に貴重な経験でした。罹患している病気によって、現れる特徴は異なります。知識として理解はしていても、やはり実際に目で見てみないと分からない部分も多かったです。様々な角度・断面から脳を観察できるので、疾患に対する脳の三次元的な病態をイメージできるようになりました。
また、楽しいのは研究だけじゃありません!先生たちは学生との交流が大好きです。学生生活のお悩み相談からワールドカップの感想まで、話題は常に尽きません。しかも隣の研究室と部屋がつながっているので、お隣の脳血管病態学講座の今泉先生やそこに所属している学生たちとの交流もあります。色んなお話が聞けて楽しいですよー!

撮影の思い出

医学部医学科ではリサーチマインドをもった医師を育成するために、学生は3年次の後期に医学研究科の各講座に配属され、マンツーマン指導の「研究室研修」が行われます。
今回ご紹介する脳神経病理学講座の研究室では、脳疾患の病理診断に加え、神経難病の病態解明を目標に研究を進めています。

弘前大学公式YouTubeチャンネルでは、医学部医学科のPR動画を公開中。興味がある方はぜひそちらもチェックしてくださいね!

弘前大学医学部医学科PR動画

今回リポーターを務めた二人。
左から学部3年の磯﨑さん、同じく学部3年の安井さん。
医師を目指して日々勉強に励む中で、二人とも硬式テニス部に所属しています。撮影にも仲良く臨んでくれました!

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室

いざ研究室へ。机上にはヒトの脳の模型が。

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
模型とはいえ重さもしっかりあってかなりリアルです

撮影では模型を使って説明してもらいましたが、実際には病理組織の標本を使って研究を行っています。
例えば認知症の方の脳を見て、萎縮の程度や色の変化などを学んでいます。

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室

研究したことが医療現場にどう活かされるのか、三木先生が解説してくれました。

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室

三木先生「私たちが取り組んでいることは、1つは亡くなった原因を明らかにする“診断”、もう1つはどうして病気になったのか、そのメカニズムを明らかにする“研究”です。」
こちらの研究室での取り組みが、病気の新たな診断基準や診断法の開発に繋がっています。

また動画では留学生や研究のために来日している海外大学の先生にもお話を伺っています。海外の方から見た弘前大学はどんな場所でしょうか。
ぜひご覧ください!

弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
中国出身で大学院生の丁さんは留学生
弘前大学研究室探訪_医学科三木研究室
クジャウスカ先生はポズナン医科大学(ポーランド)の教授

場所を変えて雑談タイム。
安井さんは将来「臨床医*1」と「研究医*2」、どちらの道を進むべきか迷っていて、三木先生に相談します。2つを両立するのはとても難しいようで…
また、何科の医師になるのか、どういう研究をすればいいのかイメージするのが難しいという悩みも。

*1臨床医…患者さんの診察や治療を行う医師
*2研究医…大学などの研究機関で医学研究を行う医師

そんなお悩みに
「医師になりたいという気持ちがあれば、その目標を追い続けることで、自分が歩むべき道が自然に見えてくるから心配しなくて大丈夫です」
と温かい言葉で三木先生が答えてくれました。

ここで撮影終了です!
医師を目指す道のりは険しく、悩むときもあるかと思いますが、そんな時にもアドバイスをしてくれる先生がいれば、きっと乗り越えられますね。
お疲れさまでした!

脳神経病理学研究室(三木康生助教)をもっと詳しく知りたい人へ

■弘前大学研究者総覧ページ 三木康生助教
 https://hue2.jm.hirosaki-u.ac.jp/html/100000703_ja.html

■大学院医学研究科/医学部医学科 脳神経病理学講座紹介ページ
 https://www.med.hirosaki-u.ac.jp/web/kouza.html?id=c01