弘前大学で活躍中の現役学生をご紹介する『在学生インタビュー』、第10回は、新入生特集2018でお送りします!
新入生特集2018 第3回目は農学生命科学部1年次の2人。
分子生命科学科で東京都出身の 浅川 正樹(あさかわ まさき)さん、食料資源学科で北海道出身の 福島 宏太(ふくしま こうた)さんに、受験勉強のことや今の弘前大学での学生生活について伺いました。

理科全般への興味から

—志望動機を教えてください。

浅川さん:僕は小さいときに父が乾電池と豆電球を買ってくれて、電気を点けて遊んでいたんですけど、それが理科に興味を持ったきっかけだったのかなと思います。それから高校3年生で生物がおもしろいと思い始め、生物系はまだ完成されてない学問と言われているのを知って、生物系を勉強できる大学を目指しました。生物の生命活動は化学反応で説明できると言われているので、今までの他の分野への興味も、全部繋がってきます。
弘前大学農学生命科学部の分子生命科学科を受験したのは、前期一般入試の二次試験に数学がなくて、物理、化学、生物から選んで受験できる*1のがいいなと思ったところもあります。

*1 平成30年度一般入試において分子生命科学科の個別学力検査実施科目は理科1科目(物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から1科目選択)。


弘前大学農学生命科学部1年
農学生命科学部分子生命科学科1年次の浅川さん

農業高校での学びを深めたい

福島さん:小さい頃からお菓子づくりが趣味なんです。農業高校の食品科学科に入って、パン、乳製品、製肉など、幅広く製造に携わることが出来て、興味が進みました。帯広市に菓子屋が多く存在していたことも影響していたかもしれないですね。
高校入学時は就職希望だったんですが、2年生の終わりにたまたま進路室へ行ったら、退職される先生がいて、「大学行かないの?」と声を掛けられ、、、。それがなければ進学という選択は無かったと思うので、不思議なご縁です。
パンフレットで食料資源学科で食品製造や食品の機能を勉強できるということを知って、オープンキャンパスで先生や先輩学生から研究のことを直接聞いて、すごく興味をもって志望しました。

弘前大学農学生命科学部1年
農学生命科学部食料資源学科1年次の福島さん

試験形態に応じた対策

ー受験勉強で意識していたことはありますか?

浅川さん:僕は1年浪人して、一般入試の前期で入学しました。高校が進学校ではなかったので、自分で入学時から英単語を覚えたりはしていました。高1の10月ごろに塾に入って、本気で受験勉強をしたのは高3くらいからです。
センターは総合点勝負なので、満遍なく点を上げたほうがいいと思うんですけど、僕は数学が本当に苦手で生物で挽回しようとしていて、二次試験にもある生物に力を入れていました。
生物は暗記科目といわれる通り、覚える言葉がすごく多いので、紙に用語を書いて真っ青にしていました。暗記のときは青ペンを使っていて。音読もしました。あとは、問題集に解答を全部書き写して、繰り返し読む、ということもやりましたね。
受験前日は焦りと緊張で眠れなくて遅くまで勉強していたんですが、その前日に覚えたことが試験に出たので、最後まで諦めちゃだめだと思いますね。

福島さん:僕はAO入試で受験しました。自己PR書を送って、試験は小論文と面接でした。
小論文を書き慣れていなかったので、初めは長いスパン(1~2週間)で一つ完成させることを目標に高3の4月頃からやっていました。字数を書けるようになってきたら、同じ小論文のテーマを何回もやって、論点をぶれずに書くようにしたり、字数を埋めたり、精度を上げる練習をしました。
小論文はあまり過去問もホームページに載っていないし、表が使われているテーマでは、著作権の関係で表だけ掲載がない場合もあるんですよ。なので、とりあえず違う分野でも、表が付いているテーマで練習して、読み取りの力をつけることも大事です。高校が集めている過去問を入手することも重要ですね。僕が受けたときの表は全部英語で、一瞬固まっちゃったんですよ(笑)英単語は食品に関するもので、食物繊維がファイバーだとか、たんぱく質がプロテインだとか、そういうことが書いてある表だったのでだいたい読み取れたんですけど。対応できるように英語の過去問があれば見た方がいいかなと思います。
テーマに関する知識、というところでは、北海道だったので、ニュースでもよく農業のことをやってましたし、気になった事、わからないと思ったことを調べたり、新聞だったら切り取ってスクラッチしたりして覚えていました。農業高校なので先生に聞くこともできました。農業新聞という新聞があるので、それを取り寄せても面白いと思いますね。
面接は、最初に送った自己PR書の、ここは聞かれそうだなというところをピックアップして、リストに書いて、答えを考えて、どういう質問が来ても答えられるように準備しました。学校の先生とも話して、言いたいことをしっかりわかりやすく伝えるというのを、一緒に詰めていきました。

自分の好きなことを追求できる

ー大学の授業はどうですか?

浅川さん:講義の合間の小話が面白い先生がいます(笑)人生の話とか、、、。
教養教育では情報処理入門の講義がすごく自分のためになりました。高校までの情報の授業ではやらなかったような、エクセルのスプレッドシートの使い方も勉強しました。あとはプログラミングも。パワーポイントは実用的だと思います。
他には、青森県の原子燃料サイクルを学ぶ講義を履修して、この前その一環で六カ所村へ行ってきました。核燃料サイクル施設や石油備蓄基地があるんですけど、それを見られたことは刺激になりました。

福島さん:化学や生物の授業には必死についていってます。農業高校だと化学基礎とか生物基礎とか、基礎科目だけが必修だったんですけど、みんなは高校でその先の科目をやっているので。先生が「高校のときの教科書を振り返って理解して」と言うときも、基礎の教科書しか持っていないんで、わからないときは友だちに聞いて理解してますね。
教養教育科目は「青い森の食品化学」とか「酵素科学」とか、食品について勉強できる科目を選んでいるので、すごく楽しいです。教養は本当に自分の好きなもの、興味があるもの、勉強してこなかったけどやってみたいものを選択して取っています。「青い森の食品化学」はオムニバス*2で、いろんな学部の先生が、それぞれの視点から食品についてアプローチしていくのですごくおもしろかったです。

*2 オムニバス:複数の講師が1回ずつ、もしくは複数回登壇する形式で実施される講義。

弘前大学農学生命科学部1年

弘前大学学生委員会で学生の生活を支える

ーサークル活動など,学生生活についてはどうですか?

浅川さん:学生委員会が実施してくれたスタートアップセミナーやウェルカムパーティーなどの入学したばかりのころのイベントに参加して、先輩たちがすごくきらきらしていて、いいなと思って入りました。
学生委員会は僕と福島くんが所属している、総代さん*3といろんな企画を立案していく部門の他に、「食と安全、健康」をテーマに活動する部門、情報宣伝局部門に分かれています。弘前大学生協の職員さんと一緒に活動しますが、職員さんはおおらかで頼りがいのある人が多いと思います。
他には、山岳部と援農サークルのTEAM DANBURIに入っています。山岳部は「部活」なので活動が活発で、毎週どこかの山登りに行っているみたいです。僕は今まで4回くらい参加して、県内の岩木山や八甲田山、八甲田山系の沢を登りました。経験者が多くて、登山中の“行動食”のカロリー計算とか、専門的なことをしている人もいます。スタートアップセミナーで担当してくれた上級生の方が山岳部で、「入らない?」と声をかけてもらって入りました。山登りは小学校以来です(笑)

福島さん:僕もDANBURIに入っていて、援農に行くときは同級生や先輩と複数人で参加するので仲良くなれるし、農家さんもすごくやさしい人ばかりで話も面白いです。農家さんがバーベキューとかをやってくれることもあるのでしっかり交流もできて、すごく楽しいサークルですね。
メインの活動は学生委員会です。浅川くんと同じように入学時に学生委員会が実施していたイベントに参加して、楽しそうだなと思って入りました。小中高と児童会も生徒会もやってこなかったし、人前で話すようなこともあまりなかったので、今までとちょっと違う経験ができそうだなと。班のリーダーとしてみんなをまとめるような経験は、自分のためにもなると思って活動してます。2~4年生併せて30人くらいのところ、1年生は今年46人入りました。夏休み合宿もあるので、これから仲良くなれるかなと思っています。
今は総代さん*3の集会の開催や運営、ペットボトルのキャップやデポジット容器、割り箸の回収、放置自転車の回収などの活動をしています。8月はオープンキャンパスの手伝いがあって、僕は食堂の麺コーナーの呼び出しをしていました。割り箸がすぐ無くなって、こんな人数来るんだ!と思ってびっくりしました。全体を通して楽しかったですし、やってよかったです。
他のサークルもそうですけど、自分の学科だけじゃなくて他の学科とか、いろんな出身地の人と話すことで世界が広がるんで、そういうのも醍醐味だと思います。

*3 総代:大学生活協同組合(大学生協)の組合員の中から選出される代表。組合員の意見を大学生協に伝える。総代が集まる会合を総代会と呼ぶ。

弘前大学農学生命科学部1年
平成30年度オープンキャンパス。学生委員会による参加者見送りの様子。

弘前大学での今後の目標

ー最後に受験生へメッセージをお願いします

浅川さん:受験勉強はやっただけ点数が上がるので、みんな頑張ってほしいなと思います。
今後僕は、勉強面では弘前大学同窓会の「吉田基金」TOEIC賞を狙っていて、それを目指して勉強したいと思っています。TOEIC900点以上が条件なので、なかなか厳しいんですけど。
あとは人間的な部分で、困っている人を見かけたら、無視をしないで近くにいって、何かお手伝いをしていきたい、というのを、今年の目標にしています。

福島さん:僕みたいな農業高校とかの出身の人たちには本当に勉強しないといけない、他の人に聞いたり教えてもらったりしないと厳しい部分が出てくるから、その覚悟でね、と。自分に言いたいことなんですけど(笑) 
弘前大学は5学部あって、自分が動けばいろんな人と関われるので、自分の専門だけじゃなくて、他の人の話から自分の専門に役立つこともいろいろ知ることができます。
食料資源学科は教員が20人近くいて、生理学でも物性とか栄養とか、微生物的な観点でも食中毒とか、幅広い分野を勉強できそうなので、自分がやりたいことにすごく合っている学科だと思っています。

弘前大学農学生命科学部1年
弘前大学学生委員会、平成30年度新メンバーの集合写真。(提供:弘前大学生協

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Profile

農学生命科学部1年
浅川正樹さん、福島宏太さん

新入生特集2018 vol.3 。
平成30年4月弘前大学農学生命科学部入学。
浅川正樹さん:東京都小平市出身。東京都立東村山高等学校卒業。農学生命科学部分子生命科学科。弘前大学学生委員会、山岳部、農家・農村サポートサークルTEAM DANBURIに所属。
福島宏太さん:北海道幕別町出身。北海道帯広農業高等学校卒業。農学生命科学部食料資源学科。弘前大学学生委員会、農家・農村サポートサークルTEAM DANBURIに所属。