9学生団体が参加!学生参加事業

弘前大学は2019年5月に創立70周年を迎え、年間を通してさまざまな記念事業を実施してきました。

今回は学生参加事業を行った9の学生団体の中から4団体の代表者が参加し、西澤一治同窓会長、佐藤敬学長と行った、振り返りの座談会の様子をお届けします。

令和2年3月1日発行の弘前大学同窓会報第21号では、創立70周年記念事業を振り返り、また教員・同窓生にお寄せいただいた70周年にあたっての想いなども紹介しておりますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。

弘前大学同窓会とは?
弘前大学同窓会は弘前大学創立50周年を契機に平成11年6月に設立されました。
全学同窓会は「人文社会科学部同窓会」「教育学部同窓会」「医学部鵬桜会」「医学部保健学科さくら会」「理工学部同樹会」「農学生命科学部同窓会」「弘前大学文理学部卒業生」の7つの同窓会で組織され、弘前大学の教育・研究活動の支援を行っています。
【参考】弘前大学同窓会(弘前大学公式ホームページ) https://www.hirosaki-u.ac.jp/information/alumni.html

座談会参加者
西澤一治弘前大学同窓会長
佐藤敬弘前大学長

フィルハーモニー管弦楽団 宮前奏一団長(理工学部3年)
津軽三味線サークル 進藤裕太副代表(理工学部3年)
学祭本部実行委員会 仙順平代表(理工学部2年)
鉄道研究会 齊藤亘部長(人文社会科学部2年)

西澤会長:最初に70周年事業への同窓会の関わりについてご説明したいと思います。
70周年事業を推進するために後援会が発足され、私は副会長を務めました。事業後援会副会長として、また、同窓会長として、札幌から沖縄まで、各地域同窓会を周りました。
行ってみて気が付いたことは、どこの地域に行っても弘前大学への母校愛が非常に強いということですね。北海道に行ったときは、円陣を組んで旧制弘前高等学校*1の寮歌を歌いました。つくづく弘前大学卒業生の大学に対する想いと結束力というものを、実感して戻って参りました。

学生参加事業は地域に根付いた様々な取り組みをやられていました。充分市民の方にもみなさんの想いが伝わったのではないかと思います。

*1旧制弘前高等学校・・・弘前大学の前身校。弘前大学は旧制弘前高等学校を含めた5校を母体として1949年(昭和24年)に設置された。

佐藤学長:60周年のときもそうでしたけれども、こういう学生参加事業をしっかり記念事業の中に位置づけて、年間を通して学生のみなさんにも70周年に主体的な役割を果たしていただいてるというのは、大変素晴らしいと思っています。感謝しています。
地域のみなさまにも高く評価いただいているのではないかと思っています。

西澤会長
西澤同窓会長
佐藤学長
佐藤学長

学生参加事業について

宮前さん:令和元年11月2日に、毎年開催している定期演奏会を、70周年記念と冠して開催しました。毎年地域のみなさまにご協力いただいて、弘前市民会館で実施していますが、今年も400名強のお客様にお越しいただきました。
アンケートでも、素晴らしい選曲だったなど、ありがたいお言葉をいただけたので、また演奏会を来年再来年と続けていって、80周年になったときも、僕たちの演奏会を続けていけばいいなと思っています。

フィル70周年演奏

創立70周年記念式典での演奏の様子
齊藤さん:鉄道研究会としては、弘南鉄道さんとコラボさせていただきました。
弘南鉄道大鰐線で、電車の先頭と後ろに付いてる、丸いマークがあるんですけども、あれを70周年記念のロゴに差し替えてもらって、車体にも70周年のマークを入れてもらい、9月の上旬から10月いっぱいまで2ヶ月ほど運行しました。
僕は出身が北海道で、北海道は“私鉄”と呼ばれるものが無くなってしまったんです。だからそもそも私鉄に触れるのが初めてで。大学生の提案に喜んで協力していただけるということに驚き、とても幸せなことだと思いました。もう卒業された先輩が主導され、実現した取り組みで、一番鉄道研究会らしいものができたんじゃないかと思っています。

鉄道研究会

ヘッドマーク・車両ラッピングに「創立70周年記念ロゴマーク」を施した鉄道車両の前で。(齊藤さんは写真手前)◇詳細はこちら
仙さん:学祭本部実行委員会では、毎年発行している総合文化祭のパンフレットの中に、60周年から70周年まで10年間のパンフレットの表紙をちりばめる構成にしました。パンフレットを見るだけで、「70周年だ」ということに少しでも実感をもっていただきたいと思い、デザインしました。
もうひとつは、70周年記念で限定デザインのシャープペンシルを作り、弘大祭当日のウォークラリー企画の景品と、アンケートにお答えいただいた方に配布する御礼の品にしました。ウォークラリーでは「70周年記念で植えられた木はなんでしょう?(※答えはこちら)」のように、70周年にゆかりのある問題と、弘前大学に詳しくなれるような問題を用意しました。
ウォークラリーへの去年の参加者が350人ほどということで、ちょっと多めに500本のシャープペンシルを用意していたのですが、想定以上の参加で!3日目のお昼ごろにはなくなってしまいました。
全体的にも1万人以上のお客様にご参加いただき、大盛況のうちに終わることができました。

学祭

Opening Festivalでは書道パフォーマンスを披露。テーマの「Anniversary~70周年のキセキ~」を大きく描き出した
進藤さん:津軽三味線サークルは、令和元年12月1日に、弘前公演2019「宙(そら)」というタイトルで、ヒロロの市民文化交流館で演奏会を実施しました。弘前公演自体は毎年開催しているものですが、今回は70周年事業という形で開催させていただきました。
内容としては、津軽の有名な伝統曲の他、大学のサークルならではのオリジナル曲も演奏しています。卒業生が作って残していってくれるという伝統があるんです。オリジナル曲が今10曲ありまして、津軽三味線というひとつの楽器からでも、さまざまな音色が出せるという魅力を感じていただきたく、演奏しました。

弘前大学三味線サークル

演奏会では大人数の演奏だからこその迫力がある

「70周年」について思うこと

齊藤さん:70年前って、ここに居る学生4人は、影も形もない訳じゃないですか。
そんな時代から続いている大学に入って、周年事業に学生のうちから関わる事ができるって、すごく幸せだなぁと感じました。

仙さん:僕はちょうど今年20歳になりまして、70年となるとその3.5倍か、と・・・。
20年でさえ長かったなぁと思って、それが70年となると、想像するのが難しいですが、やっぱりそれなりの重みがありました。

齊藤さん
鉄道研究会 齊藤さん
仙さん
学祭本部実行委員会 仙さん

70周年記念式典祝賀会に参加して

宮前さん:僕は直接その場にはいなかったのですが、弦楽器の5人を派遣しました。
本人たちから話を聞きましたが、ご出席の方からお話を聞かせてもらっただとか、そういう場面もあったらしいので、諸先輩方の70周年という重みを直に話していただけたというのは、本当にいい機会だったと感じました。

進藤さん:他の団体さんと一緒に演奏、ということはほとんどないので、弘大囃子組のみなさんとコラボしたことで、「70周年」は弘前大学全体のものなんだ、ということをより感じることができました。

祝賀会でのフィルの演奏
フィルハーモニー管弦楽団 弦楽五重奏団による演奏
祝賀会での三味線・お囃子のコラボ
祝宴として披露したアトラクション

卒業生との関わり

宮前さん:毎年演奏会に賛助として出ていただいています。

進藤さん:先輩方は公演のときに演奏を聴きに来てくださることもありますし、演奏者として飛び入り参加することもあります。

宮前さん
フィルハーモニー管弦楽団 宮前さん
進藤さん
津軽三味線サークル 進藤さん

齊藤さん:鉄道研究会は僕で6代目なので、まだ設立から10年経っていません。
僕たちは学祭のときにかなり大きめの模型の展示をするんですよ。毎年やっていて、来年は卒業された先輩方が持ってる模型を走らせようと計画しています。
卒業生の方についていうと、行動範囲がいい意味でおかしくて、卒業して就職したはずなんですけど、僕今年もう3回くらい会ってるんです(笑)学食にふつうにいることもありました(笑)

西澤会長:いいですね。

佐藤学長:うれしい?

齊藤さん:うれしいですね。

鉄道研究会展示

令和元年度の展示の様子。教室いっぱいの模型を展示
仙さん:学祭は当日何人か手伝いに来てくれます。
卒業した先輩に、困ったときにちょっと手助けを頼むこともありますし、弘前にお住まいの方で僕の8つ上の先輩に助けていただいたこともありました。
スポンサーになってくださる地元の企業さんは150社ほどいらっしゃって、先輩たちの代からずっと協賛いただいている企業さんもあり、地元に支えられているイベントであることを実感しています。

令和元年度の総合文化祭の様子

令和元年度の総合文化祭の様子。多くの来場者でにぎわった

卒業生が帰ってくる場所としてのアイディア

仙さん:学祭は少なからず、そういう役割を果たしているのかなと思います。
何もないときにパッと帰ってくる人って、そんなにいらっしゃらないので、やっぱりそういうイベントなのかなぁと。
弘大祭は学生主体の事業もありつつ、弘前大学の教職員の方も参加して、大学全体の「総合文化祭」という形になってから、実は来年で20周年なんです。それもひとつの節目なので、ぜひ広くみなさんにお越しいただきたいですね。

齊藤さん:僕は大学に入って、人との繋がりってなかなか作るのが難しいんだなぁと思っていて。自分から街に出ていくっていうのは、簡単な人には簡単なんですよ、でも難しい人にとってはやっぱり難しいんだなぁって思うんです。
そういう中で、弘前大学の先輩方とこうやって話す機会って、自分ではそうそう作れないと思うんですよ。
だから図書館の一室をお借りして、今日みたいな座談会とかいろいろイベントが出来たらいいのかなっていうのは思います。僕が卒業してから、そういうのがあれば是非戻って来たいです。
僕の祖父も実はここの教育学部の卒業生で。いろいろゆかりがある所なので、これからもずっと縁を持ち続けていきたいなと思っています。

佐藤学長:生協食堂に来てくださるだけでもいいよね。生協食堂で、向いに座った学生と話してくださったりね。

座談会の様子

次の10年に向けて

西澤会長:今日いらしてくれた学生さん方もそうですが、私も今回携わって、「70周年記念」という“イベント”があって、それに参加する、というのではなく、我々のやってること“全部”が70周年の大学全体の事業なんだ、ということに気が付きました。
80周年を迎えるときにはみなさん卒業されていると思いますが、80周年に向けては、「自分たちの80周年事業だ」という気持ちを伝えていってもらいたいですね。
これは大学、スタッフがやる事業ではなくて、自分たちが一緒になってやるという気持ちをもってほしいです。

佐藤学長:今、西澤先生がおっしゃったのと似たようなことなのですけれども、70周年という“1年”ではないんですね。70年という“継続”なんですね。
70年の間、弘前大学はどうあったか、そして、今後どうあるべきか、というようなところがあるんです。
たまたま70周年という節目の年だからいろいろな企画をやりましょうね、ということなんだと思うんですね。
だからぜひ、80周年のときもですね、一部の人はいらっしゃるかもしれないし、もしかしたらもう社会に出られてるかもしれないし、どっちにしてもですね、主体的にまた参加していただきたいと思います。
周年のときはみんなでまたまとまってやりましょうか、ということになろうかと思いますけども、それぞれが歴史を振り返りながらやっていくことが、大学の伝統を作っていくことだと思います。

フィルハーモニーも三味線サークルも本当に素晴らしいと思います。どんどん評価されるようになってきている。鉄道研究会の試みも素晴らしいし、毎年毎年学祭本部の実行委員会も学生中心になって学祭を盛り立ててくださって、すごいと思いました。
ですから、80周年のときにも是非継続して活動していただいて、しっかりと役割を果たしていただくように、後輩につないでくださるといいですね。

■弘前大学同窓会(弘前大学公式ホームページ) https://www.hirosaki-u.ac.jp/information/alumni.html

■弘前大学創立70周年記念事業特設ページ https://www.hirosaki-u.ac.jp/information/about/anniversary/70th.html